SWISH GATE





【JB】イメージビデオを公開しました!

監督の秋津です。

このたび、全年齢向け オリジナル ビジュアルノベル『Jester’s Bind』のイメージビデオを公開しました!
イメージビデオというのは、簡単に言え「映像で見る体験版」です。
宣伝用のPVではありません!

イメージビデオは『Jester’s Bind』の公式サイトで公開しています。
ぜひ、ご鑑賞ください!



さて、ここでは公式サイトには載せないことを書こうと思います。
それは、「イメージビデオの公開意図」です。

制作裏話のようなブログオリジナルのネタを読みたい場合は、どうぞ読み進めてください。



イメージビデオを公開したのは、『Jester’s Bind』を実際に鑑賞した場合に、「どんな体験ができるのか」ということをお伝えしたかったからです。
PVでは「こんな話なのかな?」「こういうキャラクターが出てくるんだ」ということはわかりますが、「実際にどうやって進めるか」ということはなかなか伝わりません。

それもそのはず。
PVはあくまでも宣伝用のものですし、ジャンルがわかれば「どういうふうに進めるか」というのはわかるものです。

ビジュアルノベルに近いジャンルでいうと、サウンドノベルやテキストメインのアドベンチャーゲームがあります。
サウンドノベルといえば背景に絵が置かれ、音楽や効果音が鳴って、画面全体に文章が書かれているのを読み進めていく、という形です。
アドベンチャーゲームは、背景の上にキャラクターの立ち絵が乗っかっていて、画面の下の方に出る文章を読んだり、もしくはキャラクターが実際にしゃべるのを聞いたり、という形で進めていきます。

こうして、ジャンルがわかれば「どういうふうに進めるか」はおのずとわかりますから、伝えるべきはストーリーやキャラクター。
宣伝用のPVでは、それらをイメージしてもらうための内容にしつつ、画面写真もちょこちょこっと入れてイメージをふくらませてもらう、となります。

『Jester’s Bind』も、直近ではコミックマーケット83にて体験版を配布し、そこでは画面としてはテキストアドベンチャーゲームの形式を採っていました(※分岐要素はありません)。


- C83配布の体験版の画面写真 -

こうした形式なら「どういうふうに進めるか」を体験していただかなくても、だいたいイメージしていただくことはできるはずです。
ですが、いま制作中の『Jester’s Bind』はこうした形式を採りません。
もっと、自分がやりたい形にいまできる範囲で最大限近づけるために、形式を変えることにしました。

全体に絵が置いてあって、画面の下部に文字を置く、という形はそのままですが、絵の使い方を通常のアドベンチャーゲームとは違ったものにしています。
アドベンチャーゲームではふつう、キャラクターが出てくる絵はイベントスチルという一枚絵と、表情の変化がある立ち絵です。
この分け方をそのまま使って説明すると、次のようになります。


- イメージビデオの画面写真1 -

イメージビデオでもイベントスチルに分けられるものはありますが、その一部は表情や顔の向きが変わるようになっています。
イベントスチルにも表情バリエーションがある、ということです。

また、立ち絵の使い方も変えました。
立ち絵のよいところは、背景を変えるだけで、いろいろな表情変化を使いまわして、様々なシーンを描けるところです。
こうした便利さがある一方で、立ち絵はかならずしもその場の状況に応じた姿になっているとは限らず、入れ方やストーリーによっては違和感がありました。
アドベンチャーゲームのプレイヤーは、前提としてあるこうした違和感を消化し、「そういうものだ」と受け入れてプレイしています。

立ち絵が便利だとわかりつつも、この違和感はどうにか解消したいと考えていました。
とくに、イベントスチルのように描いた絵を動かすと、立ち絵の違和感がいっそう強くなります。
イベントスチルは状況に合わせて身体の向きや表情を描いているので、作品全体で使おうとする立ち絵では「なじみ方」という面では太刀打ちできないのです。

それでも立ち絵の便利さは手放しづらい……
それで考えたのが、「背景を工夫する」ということでした。


- イメージビデオの画面写真2 -

ここでは、彩音の立ち絵のバストアップを使っています。
立ち絵を使うときは、ふつう使いまわしの利く背景を置きます。
このシーンは倉庫ですから、倉庫とわかる背景を置くだけです。

ですが、イメージビデオでは隼との位置関係や後ろにある柱などを描くことで、「画面写真1とは別の角度のカメラから撮った画」と見えるようにしています。
こうすることで、「動くイベントスチル」と「立ち絵+背景」とのギャップを小さくしました。

ですから、『Jester’s Bind』では従来のイベントスチルと立ち絵との使い分けは、通常のアドベンチャーゲームとは異なるものになります。
通常のアドベンチャーゲームでは、イベントスチルと立ち絵の使い分けは次のようになっています。

イベントスチルは、「イベント」という名前のとおり、特別なイベントのときに一枚絵が表示される、というものです。
立ち絵はそれ以外のなかで、背景のみで進められる部分以外のすべてをカバーして、物語を進めるときに使われます。
そのため、動きのあるシーンはイベントスチル、動きのないシーン(会話シーンなど)は立ち絵という使い分けがされています。

恋愛シミュレーションとアドベンチャーゲームの形式の相性がよいのも、これが理由です。
恋愛シミュレーションではキャラクター同士が日常会話をするシーンが主ですから、立ち絵を活用することで背景を変えればシーンを次々と描けます。
テキストアドベンチャーゲームの多くは学校や家などの日常的な場所が舞台で、そこで会話するシーンがプレイ時間のほとんどを占めます。
こうした内容とはとても相性がよいシステムと言えるのです。

SWISH GATEでは、こうしたものとは違った内容の作品をつくっていきたいと考えています。
それに合わせて、描写の面でもチャレンジを続けていきたいです。
『Jester’s Bind』はもともと、分岐もあるベーシックなアドベンチャーゲームとして企画されたものですから従来の形式をある程度なぞるものになりますが、ここでも挑戦をしていきたいと思っています。
そのため、キャラクターと背景の描き方も変えました。
もちろん、今後はもっとチャレンジしていきます。

最後に、イメージビデオの内容ですが、物語としてはまだまだ序盤で、コミックマーケット83で配布しました体験版から間を少し挟んだ後の話です。

・イメージビデオの目的である鑑賞体験をイメージしやすい
・体験版を鑑賞してくださった方にも楽しんでもらえる(体験版と同じ箇所ではない)
・あまりネタバレ要素がない
といった点から、このシークエンスを選びました。

イメージビデオを最後まで観ていただいて、「この先が気になる!」と思っていただけたなら、このビデオの娯楽としての価値もあったと、うれしく思います。

意図に関連していろいろと書いていたら長くなってしまいました。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

秋津

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